【フルートを新調】リングキィ、オフセット、Eメカなし、H管にはいつ慣れるのか?

昨年、子どもの頃に使ったきり24年間も放置をしていたヤマハのYFL-212から、パウエルの総銀フルートに買い替えました。

ですが私は24年ブランクのポンコツ初心者。

楽器のレベルに自身のレベルが追いついていないに加えて、フルートの構造が変わったことにより、音を鳴らすことが難しくなりました。

楽器を新調した「当初の想定」では2週間〜1ヶ月くらいで指も慣れ、、ピロピロ軽やかに吹けるようになるはず「だった」私の10ヶ月目の進捗状況をお伝えします。

目次

先に結論を言います

リングキィ、オフセット、Eメカなし、H管にはどれくらいで慣れるのか?について。

結論を先に言っておくと、新しい楽器になって10ヶ月目の今でやっと!リングキィに慣れました(低音のドとシを除く)。

Eメカなしに関してはまだ7割程度のヒット率でしょうか。

跳躍多用の曲はヒット率がぐんと下がります。

インラインに関してはフォームの改善で攻略

H管に関しては下記で詳しく述べますが、右小指の動きがまだ苦戦中です!

けれど10ヶ月で「あとは小指の試練を乗り越えるだけ」に成長できたので、1〜2年で攻略できるのでは!!と思っています。

それでは詳しく見ていきましょう。

まずは私の新旧フルートの違いを解説

まさかまさかの、新しく購入した楽器に指が慣れないという事態に陥っています(今現在、再始動10ヶ月目です)。

新調した楽器が今までとどのような違いがあるのか、詳しく説明をします。

①子どもの頃に使っていたのは「YAMAHA YFL-212」

私は8歳のときにフルートのお稽古に通い出したのですが、そのときに買ってもらったフルートが、ヤマハの「YFL-212」というモデル。ヤマハの中では一番リーズナブルなものを愛用していました。

こちらは「白銅製」「C足部管(低音のドまで出る)」ということで、軽く作られています。

なので子どもでも持ちやすいですし、私自身も8歳の時に「なんやこれ、重たいやん」といった記憶もなかったので、特に不便は感じていなかった楽器です。

しかも、ヤマハの212は、初心者でも3オクターブ目の音E(ミ)とFis(ファ♯)が出やすくなる「Eメカニズム」が付いています。

Eメカが付いていないフルートは一つキーが多く開いているため、3オクターブ目のEの音が出にくい。

出典/村松楽器

そして、子どもの小さな手でもキィが押さえやすい「カバードキィ」(キィに穴が空いていない)、左手薬指が届きやすい「オフセットキィ」(キィの並びがずれていて左薬指が押さえやすい)です。

私はこの吹きやすさ3要素(Eメカ付き、カバードキィ、オフセットキィ)が搭載された、持ちやすい、そして吹きやすいフルートを8歳から16歳まで使用していました。そしてC足部管だったので、右小指の動きもシンプルで済んでいました。

中学生のときだけ吹奏楽部に所属していたのですが、吹奏楽コンクール用の16分音符まみれの曲もしっかり吹けていた気がしていました。

②アラフォーの趣味は「VQパウエルフルートSignature B-hoot」

しかし今回、“大人の趣味”ということで、「もっと美しい音を奏でたい!」という心の奥底から湧き出てきた欲望を満たすため、パウエルのシグネチャー(総銀製)を購入しました。

パウエルフルート 総銀製 シグネチャー インラインリングキー H足

試奏のときのお話は以前のブログを読んでいただくとして、こちらのパウエルの総銀フルートを10ヶ月使用してみて思ったのは、スカッと抜けるような気持ちのいい深い響のある音色!

ということです。

お稽古に通い出してからは、先生のとんでもなく美しい音色を脳裏に焼き付け(いい音色のインプットはかなり重要)、姿勢、息の出し方、アパチュア、アンブシュア、、要するにフルートを吹くための根本を全て改善していき、最近ではまぁまぁマシな音色を出せるようになってきました。

さて、問題はここからです。

楽器がいきなり何段階もバージョンアップして、本来ならお上手な方が吹けばその分音色も良くなるはずなのですが!

上記にもありますヤマハの「YFL-212」とは、全く違う楽器となりました。

何が違うのかというと、私にとってのフルートの吹きやすさ3要素である「Eメカ付き、カバードキィ、オフセットキィ」が、今回購入したフルートには「全部ない」ということです。そしてさらにH足部管です。

要するに、

Eメカなし
→3オクターブ目のEとF♯が、一発で当たりにくい。低音からの跳躍がめちゃくちゃ難しい。

リングキィ
→キィに穴が空いているので、指が細め&薄めの私は、どうしても隙間ができてしまって音が鳴らない&濁る。

インラインキィ
→左手のキィの並びが真っ直ぐなので見た目は美しいのだけど、オフセットで慣れていたので持ち方の改善が必要だった。

H足部管
→低音のシ(H)の音まで出せる。右小指をより伸ばさなければいけなくなった。

こんな感じで苦戦していて10ヶ月も吹いているのにまだまだフォームの改善、試行錯誤をしています。

子どもの頃の8年間に、穴が塞がっているカバードキィに染まっていた私は、指が届く適当な場所を押さえることに慣れていたらしく、きちんとキィの穴を塞ごうとしても指の柔軟性が皆無なため穴に隙間ができてしまって、ちょっと早めのパッセージの曲になると吹けない!!

音が鳴らない、、というか音がスパッと切り替わらない!なのでひたすらゆっくり目の曲を丁寧に練習しています。

楽器に慣れるのに時間がかかりすぎるアラフォー

①【リングキィ・インライン】楽器購入の際は「手の形状」をよく観察しましょう

私は高身長で、手の大きさも小さいとは思ったことがなかったので、楽器を購入する際、

自分自身

楽器店のスタッフの方

職人さん

フルートの先生(2名)

全員が、Eメカなし、リングキィ、インラインキィに、すぐに慣れるだろうという見解でした。

しかし!半年経ってもきっちり穴を塞ぐことができない。。これは何事だろうかと、検索魔になったり、自分の手と家族の手を見比べて研究をしました。

その結果わかったことがこちら。

①そもそも24年も楽器を放置していたので、指が開かないし、柔軟性もなくてフルート仕様の手でなくなっている。

②一番のネックである薬指サイズは7号。しかも先端が細く、指の腹のお肉がかなり薄いからべったり寝かせないと穴を塞げない。。

薬指が中指寄りにカーブしている。。

高身長の割に手が、指が、、長くはない(ゆとりはない)と知る。

ということがわかりました。

なので、兎にも角にも隙間ができてしまう。。

ということで3ヶ月目くらいから諦めてシリコンプラグを詰めて穴を塞いでいました

10ヶ月経った今は、一応全てのシリコンプラグを外して吹けるようにはなったのですが、いきなり低音のC(ド)とかH(シ)、要するに右手小指の音が登場すると、鳴るまでに時差が生じます。。

あと半年猛特訓をしてみて、それでもダメならシリコン要検討です。

手が小さめの方、小柄な方、指が細くて腹も薄い方は、やはりカバードキィ、せめてオフセットキィの方が良さそうです。

②【Eメカなし】E(ミ)とFis(ファ♯)音を鳴らす時に油断をしてはいけない

幼少期にEメカ付きで慣れ、24年ブランクとはいえ体に染み付いた癖というものはなっかなか抜けなくてですね、ついつい普通に吹いてしまうんです。

そして、カスってしまう。。油断をすると音が当たりません!なので絶賛試行錯誤中なのですが、以下のことを気を付けています。

①力任せで音を出さないよう、唇の適度な脱力を意識

②より一層、リングの穴がきっちり塞がるよう意識

出したい音程を喉でも歌いながら吹く

最近気づいたことは、息の強弱や唇の脱力に加えて、喉でもしっかり一緒に歌う、、ということが素人ながら必要だなと思ってきました。

③【H足部管】低音のドが苦手になった

リングキィに苦戦しているということは、右小指の動きも難しくなります。

今までと違ってしっかりとキィの真ん中の穴を塞ぐ持ち方にフォームを変えたことにより、右小指で使うキィを押すことが難しくなってしまって、わりと得意だったはずの低音のC(ド)が鳴りにくくなりました。

小指を押さえると、今度は右人差し指だとか薬指に隙間ができるんですね。。

そうすると音がバシッと当たらない。。これはもう、ただただ練習するのみ!完全初心者の小学生の気持ちで頑張っています。

先生にはタファネル&ゴーベールの「E. J. 8」あたりのアルペジオ(分散和音)の練習をオススメされたので、毎回練習しています。

④色々試練はあるけれど音質はものすごく良くなった

色々苦戦中の出来事を色々と綴りましたが、子どもの頃に使っていたヤマハの楽器と比べると、とんでもなく良い音になりました!

吹き込む息の量に対応してくれて、今までとは比べ物にならないほどの音量が出せるように。

私の場合は、去年お稽古をはじめるタイミングでのお迎えだったので、試奏をしたときはすごく下手だったんですけど、楽器に育てられたとでも言いましょうか、、「この楽器ならプロの方の音色が出せるはず!!」とわかっているので、頑張れました。

半年を過ぎた頃には、カッスカスだった音も先生の音色に近くなり、艶だとか潤いを含んだような音色に。

単なる趣味にしてはお高い買い物でしたけど、「あれにしておけば良かった」だとかの後悔は一切しないだろうな、と。心が満たされ、物欲が消えました。

あとは技術力次第で、楽器の素材を変えなくても音色は自在に変化させられるそうなので(フルートの巨匠 ペーター=ルーカス・グラーフさんの著書に興味深い内容が書いてあった。)、この楽器で鍛錬を積み重ねていきたいと思います。

初心者にはレベルの高いお話も多々ですが、読んでおいて損はない。中級〜上級の方に役立つ心得のようなものが書かれています。

フルートの響きを豊かにする52の質問〜ペーター=ルーカス・グラーフ 舞台裏の哲学〜 / ヤマハミュージックメディア

結局どれほどの時間があればリング、インライン、Eメカなしに慣れるのか?

長々と今現在の苦戦中の出来事を綴りましたが、いつ慣れるのか!という話ですね。

大きくなってリングキィに買い替えた子どもの場合、順応が早いそうで2〜3ヶ月で慣れる、なんて記事を見ていたのですが。。

40歳で買い替えた私は再始動10ヶ月目でようやくリングに慣れ、けれど低音のドとシはまだまだ苦戦中。。そんな感じです。それも平日に2〜3時間練習して、です。

ピアノを習っていなかった人は、「リングキィ、インライン、Eメカなし、H足部管」の4点セットに慣れるのは、人にもよりますけど下手すると「年単位」になるのでは?と思っています。

ちなみに経験者の方からのアドバイスでは「40代からのリングキィとインラインは無理しない方がいい」とのことでした。手の故障の原因になるそうです。

けれど!10ヶ月粘って基礎から練習を積み重ね、確実に成長できていると実感。

YouTubeやネットで言われているような「◯ヶ月で慣れる!」とかの文言は気にしなくていいんだなと悟りました。

発信されている方々はプロの方が圧倒的に多いので、この「4点セットの試練を」40代になってから体験する人なんて、いないと思うんです。

そして、成長は誰とも比べられないし、比べる必要もない、ということ。進度は自由でいいんです。

なので数字には捉われずに自分のペースでコツコツと!そんな感じで練習を楽しんでいこうと思いました。

最後に

まさか、リングキィ、オフセット、Eメカなし、H管にこんなにも苦戦することになるだなんて思ってもいませんでしたが!しっかり、ゆっくり、成長できています。

大人になって「リングキィ、オフセット、Eメカなし、H管」の4点セットに挑戦される方はほぼいないと思いますが、もし同じ悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたら、一緒に頑張りましょう!だたそれだけです。

それではまた〜!

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