2022年の8月から24年ぶりにフルートお稽古を再開しました。
人間、勢いって大事。
お稽古再開に伴い、子どもの頃から愛用していた白銅製のフルート(YAMAHA)を修理に出したのですが、なんと修理に3ヶ月かかるとのことでしたので勢い余って清水の舞台から飛び降りて、新しいフルートを購入しました。
ということで、今までのフルート歴と、フルート再開までの自主練、そして腹を括って購入するにまで至った経緯をご紹介です。
子どもの頃のフルートお稽古について
習い始めた年齢は9歳のとき。
小学校の3年生くらいから、自分からフルートを習ってみたいと親にお願いをして習い始めました。
小学生だというのに、40歳の今の私と考え方があまり変わっておらず、、
・ピアノはみんな習ってるから他がいい
・なにか変わったお稽古をやりたい
・場所を取らない楽器がいい
ということを考えていた、、、それだけは今でも覚えています。
9歳といっても身長が高めだったので、大人用の楽器もしっかり持つことができました。
ちなみに、身長130cm以下でも頭部管(息を吹き込む部分)がU字になっているものであれば、全体の長さが短くなるので持ちやすく、小さなお子様でも練習ができますよ。
そして、私が子どもの頃に使っていたのは、お手頃価格のヤマハの白銅のこちらでした。
白銅製フルートの特徴は、肺活量がない初心者でも音が出しやすく、明るく華やかな音色ということです。
そして何より総銀製とは違って軽いので、子どもでも小柄で筋力のない女性の方でも持ちやすいので、はじめの一歩におすすめのものです。
一番初めは10万円前後のものから、といった方が多いように思います。
転校をしても習い続けた。
基本、飽きっぽい性格なのですがフルートだけはなぜか続いていて、転校をした際もまずはお稽古のお教室探しをしたくらいです。
そこで出会った先生が関西ではちょっと有名な方だったらしく、しっかりとレッスンを受けることもできました。
当時は歯並びも良かったので(大人になって親知らずにより歯並びがガタガタになりました〜泣)音もよく出ていてほめられました。
中学からは吹奏楽部でフルートを担当。
中学生になっても同じ先生のレッスンを受けていたのですが、部活に入るとだんだんと忙しくなり(コンクールで金賞も受賞!)、受験勉強もあったりでレッスンは行かなくなりました。
フルートの先生には音楽科のある高校を薦められたのですが、私は冷めきった思考の子どもでしたので、
音楽で食べていくのは相当難しい。
という超現実的な思考のもと、高校は普通科の進学を決めました。
というのも、転校前の小学生の頃に毎日一緒にいたお友達が、幼稚園の頃から猛レッスンを受けていて音大を目指していたんですね。
小学校低学年の頃でも、休日なんか一日中ず〜っとピアノの練習をしていて、泣きながらお稽古に行っていたのを記憶しています。
彼女はその後、東京の有名音大に合格。。。
そんな姿を間近で見ていたので、子どもながらに「きっと音大に行くには途方もない努力が必要なのだろう」ということをわかっていたんでしょうね。
この頃からフルートは必死にやるものではなくなり、趣味の一部となりました。
それでも3年間吹奏楽部でフルートを続けて、毎日学校と家で練習をしていました。
高校の吹奏楽部はレベルが低かったので断念。
そして高校生活がスタート。部活よりも主に制服と先輩の可愛さ(9割)、大学の進学状況、偏差値、ギャルがいないこと、やや真面目そう、通学の距離(近すぎず遠すぎずで電車に乗りたかった)などを考慮し、普通科に進学をしました。
ご覧の通り、、、部活に関しては一切考慮せずに高校を決めたので、入学してからビックリ。
高校生になりたての私は、これほどまでに下手な吹奏楽部がこの世に存在するのか、、!
という事実があるということを知らなかった(←ここは子どもでした)ので、自分の高校の吹奏楽部の下手さに衝撃を受けました。
中学生の頃の私が「高校生は自分よりも年上だから、少なくとも中学生よりは演奏のレベルが高いはず。」と勝手に思い込んでいたのです。
高校に入学してから、「上手い下手に年齢は関係ない」ということと「強豪校の存在の意味」という教訓を学んだ私です。
一応、一週間ほど入部もしてみたのだけど、初心者の集まりで全く演奏にならない悲惨ぶり、、。
基礎練も全くダメで音程も合わない、、、。
これはもうどうしようもない、、ということで吹奏楽部は諦め、フルートを吹くことがなくなりました。。
大人になってからのフルートとの付き合い方
そんなこんなでフルート歴は9歳〜15歳で止まってしまったのですが、相変わらず大好きなフルート。
処分をすることなどは一度も考えたことがありませんでした。
持ち運びが楽ちんなので、大人になってからのお稽古にオススメ。
フルートって、オーケストラや吹奏楽では他の楽器に音が埋もれてしまうので、イメージとしては
フルートはあっても無くてもそんなに変わらない
と思われがちですが、実際にはけっこうな音量です。
けっして小鳥のさえずりのような音量ではありません。
マンションなんかで吹いてしまった日にはご近所迷惑になります。これだけは要注意!
けれどピアノやサックス、チェロやギターなどと比べると持ち運びは軽くて楽だし、楽器も小さいのでカラオケボックスで気軽に練習ができます!
ずっと腕を上げながら息を吹き込むので、二の腕と腹筋がかなり鍛えられます。
健康とダイエットに最適。
40歳、大学生になったついでにお稽古を再開。
今年の目標が「やりたいことを片っ端から実行する」なので、大学生活をスタートさせたついでに自主練も始めていました。
コロナ禍ということで、カラオケ代がとんでもなく安く、2時間練習をしてもワンコインでお釣りが来るというこのご時世!
せっかくなのでお稽古の申し込みを済ませました。
さっそく体験レッスンへも行ったのですが、その際に子どもの頃から愛用の楽器を先生に吹いていただいたら、相当ガタがきていることがわかり、、!これは流石にひどいなぁと思ったので、修理に出したのです。
するとなんと、最近は楽器練習の再開をされる方が多いそうで、修理が3ヶ月ほどかかると言われてしまいました。
壊れた楽器でレッスンに通うのもなんだかなぁと思ったので、、、!
1年レッスンをしたのちに購入しようと決めていた、総銀製のフルートを今購入してしまおう!!!となりました。
完全に勢いです。
ついに憧れの総銀製フルートを購入!
突如、総銀製のフルートに憧れだして数日。。。
まさかの急展開で手に入れることとなりました。
フルートのランクで音がかなり変化するという現実。
本格的にお稽古が始める前に購入をしておこうと、数日間悩んで悩んで悩んで決めた私です。
いやいや、、
そんなに悩まなくても
フルートくらいさっさと新しいのを
買ったらいいじゃない
と思ったそこのアナタ。
違うんですよ、、フルートもピンからキリまであるんです。
音に深みが出て、芯のある音色でどっしりしつつも華やかな音、fff(フォルティッシッシモ/めっちゃ強く)の音量を吹こうが音が割れない、という条件のフルートを買おうと思うと、総銀製(全て銀で作られたもの)になるんですね。これがまぁ、、なかなかなお値段なのです。
ちなみに私が子どもの頃に使っていたのが白銅のフルートはおそらく10万円前後で買えるものなのですが、その次に音が良くなるランクというのが、
次のランクが
そして次のランクが
となります。
プロの方はさらにまだまだ上の、、高級車レベルからマンションくらいのお値段ものに行くそうです。
大人の趣味としてのフルート選びはこんな選択肢があります。
次から次へと果てしなくバージョンアップしていくのですが、一般庶民の素人の趣味としては総銀製で十分だと思われます。(と、自分に言い聞かせています。)
試奏をするまでに情報収集は徹底しました。
子どもの頃は親が購入してくれていたので、試奏(いろんな楽器の音色を吹き比べること)をしたことがありませんでした。
なので、40歳にして初めての体験!ワクワク!
高級な楽器がショーケースにずらりと並ぶ島村楽器さんに試奏の予約を入れ、行ってまいりました。
購入すると決めてから試奏の日までの数日間で、パンフレットを熟読し、YouTubeとブログを片っ端から視聴して、
楽器の選び方
フルートの金属によっての音の違い
Eメカニズムとはなんぞや
価格
などなどを勉強していたので、だいたい「これがいいな」というのは決めていました。
2時間吹き比べて、悩みに悩んで86万円のものに決定!
結論から申し上げますと、色々調べて「これが欲しい!!」と思っていた、「パウエルの総銀製・H管 Signature Flute Eメカなし」に決めました。お値段、なんと約86万円(2022年8月のお値段)。
どんどん値上がりしています。
追記)2024年3月時点では、なんと約128万円、、!!
値上がりが止まらない!
ちなみにですが、ハンドメイドではないので総銀製の中ではお安い方です。
パウエルでハンドメイドとなると140万円〜とのことだったので、却下をさせていただきました。
試奏をする前に、楽器のリペアをされている職人さんが
製造工程の違いや金属によってどう音が違のか
リングキィとカバードキィ、H管とC菅の音色の違い
ソロとオーケストラで音を鳴らす際の音質の違い
古典と現代音楽について
などなど、お忙しいのにかなり詳しく楽しいお話をしていただいて、試奏をする前の説明だけでもとっても楽しかったです。
その後、いざ試奏!
私はやはり一生ものとして総銀製のものが欲しい気持ちが強かったので、いくつか見繕っていただきました。
試奏をしたのはこちらのメーカーのものです。
試奏した主な楽器はこの4本です。
総銀製しばりでC管もいくつか試奏しましたが、自分の好みはH管だということがわかり、最後はH管に絞ってひたすら吹き比べました。
はじめは総銀製のフルートが重たく感じたのですが、2時間もあれやこれや試奏をしていると重さはすぐに慣れました。
ただ、指先が細めな私にはリングキィがすごく難しくて音が鳴らなかったりしたのですが、それでも今までの白銅のものとは音が全く違う〜!!!
ということが素人にもすぐにわかりました。
最後の最後まで悩んだのが、ムラマツの総銀製(100万円超え)のものでした。
予算は100万円と思っていたのですが。。
もうここまで来たら、パウエルの86万円だろうがムラマツの100万円超えだろうが、、数十万円の誤差に関しては “金銭感覚が狂ってきますので” 気にはしていませんでした。
なんせ、、あと50年共に過ごすであろう大切な楽器ですから。日割り計算をすれば誤差範囲です。爆
本当に気に入ったものを買おうと思っていました。
ムラマツはプロの方に大人気のメーカーなのですが、なぜかブランク24年の私には音の抜け感や吹きやすさが合いませんでした。
試奏中に、島村楽器のフルート講師の方も来てくださったので、ムラマツとパウエルを吹き比べていただきました。
自分では出せない音色を客観的に聴き比べることができたのはとってもよかったな!と思います。
結果として、講師の方の音色を聴いてもパウエルの方が好みの音色でした。
自分で吹いてみても、パウエルの方が「あっ!すごい!」とひと吹きで思える音色で気に入ったので、Signature FluteのH管に決めました。
スカッと抜ける深みのある音色です。
これはもう完全に好みの問題だと思います。
ということで、一番自分に馴染んだパウエルフルートをお持ち帰り!
総銀製フルートの練習を始めて数日、リングキィも慣れてきました。
購入をしてからまだ1週間ほどですが、毎日2時間程度練習をして、指のストレッチもし、なんとか音を出せるようになりました!
しっかり音を鳴らすのは24年ぶりということで、現役の頃と比べて肺活量が1/3くらいになっている気がしていたのに、白銅から総銀製になったことでさらに吹き込むのに息が必要となり、
もはやこれスポーツ!!
と思いながら毎日練習を楽しんでいます。
あと数週間も練習をすれば全ての音も出るようになるだろうし、ゆっくり頑張りたいと思います。
最後に
ずっとやりたいと思っていた趣味のフルートを再開しました。
勢いで楽器を購入したおかげで、毎日勉強そっちのけ(になってはいけない)な気分で充実した日々を送ることができています!
おばさんになったからこそ残りの人生でやっておきたいことを、ここぞとばかりに詰め込むのもいいのではないでしょうか。何か熱中できるものがあると、気分が随分と変わりますね。
動けば運がついてくる!フルートも「運動」の一つかなと思っています。
それではまた〜!